乗り換える理由によって、見るべき点が変わる
確認した Typeless の利用者の声で、気になる点として挙がっていたのは次の四つでした(詳しくは「Typeless の評判」)。理由によって、次の道具で見るべき点が変わります。
あわせて読みたい【Typelessの評判】良いレビューと悪いレビュー。公式の技術リリースを根拠に分析しました。話した言葉を整えてくれる音声入力として、日本でも名前を見かけることが増えた Typeless。使っている人は何を評価し、何に引っかかっているのか。公開されている声を種類ごとにまとめ、公式ページの画面と並べて確かめました。
| 乗り換えたい理由 | 次の道具で見る点 |
|---|---|
| 料金が高い(月払いで $30) | 月払い・年払いの価格。買い切りや無料で使える範囲 |
| 言い換えすぎる | 整え方を指示できるか。整える機能を切れるか |
| 音声を Mac の外に出したくない | ローカルで処理できるか |
| 固まる・待たされる | ローカルで動くモデルを選べるか(通信の待ちがない) |
この記事の候補は、どれも Mac で使え、ほかのアプリの入力欄に文字を入れられるものです。8 つの位置関係を、処理の場所と料金の形で並べると次のようになります。
縦の軸は、無料で試せるかではなく、続けて使うときに月額が要るかです。Superwhisper と Spokenly は、ローカルで動くモデルなら無料のまま使い続けられ、クラウドのモデルを使うときに払う形です。(ここでいう「ローカル」とは、音声をインターネットに送らず、手元の Mac の中だけで文字にする仕組みのことです。音声は Mac の外に出ません。)Willow は、弱い方のモデルなら無料でも語数の上限がありません。
言い換えすぎるのが気になるなら、意味と敬語を話したまま残す SayonaraType
Typeless の「直しすぎる」という声への答えとして、私たちが作っているのが SayonaraType です(自社の製品)。

- 整える範囲を絞っている: 言いよどみ・言い直し・句読点と改行・数字の表記・文のつながりは整え、意味と敬語の度合いは話したまま。言っていないことは足さない
- 円・税込: Pro は月 ¥3,300、年払いなら月 ¥1,925。無料の Starter は週 約4,000 文字まで、カードの登録は要らない
- データ: 音声と文章を当社のサーバーに保存せず、学習に使われない設定で処理する(処理はクラウド)
- Typeless との違い: 言い回しまで書き換えるのではなく、自分の言葉のまま、送れる形にする
いまは Apple シリコンの Mac(macOS 14 以降)だけです。Windows と Intel の Mac への対応は準備中、日本語のほかに 13 の言語で話せて、その整え方は研究中です(どちらも公式サイトの表示)。
Typeless より料金を抑えたいなら、Aqua Voice・Wispr Flow・Willow
Aqua Voice

真ん中の Pro の欄が年払いで月 $10。右上の切り替えを月払いにすると月 $12になります。左の Free の欄には「1,000 Words」とあり、無料で使えるのは合計 1,000 語までです。
- 料金: Pro は月 $12(年払いなら月 $10)。Max は月 $24(年払いなら月 $19)
- 日本語: FAQ で日本語に名前を挙げて対応をうたい、サイトに日本語の表示もある
- 処理: クラウド。オフラインで使えるかは環境とモードによる
- Typeless との違い: 月払いで比べると半分以下。Custom Instructions で、整え方を自分で指示できる
日本で比べられることの多い組み合わせなので、「Typeless と Aqua Voice の比較」で詳しく並べています。
あわせて読みたい【比較】TypelessとAqua Voice、どちらを選ぶべきか?料金・日本語・データの扱いを徹底比較。日本で名前を見かけることの多い二つの音声入力を、公式ページに書かれていることだけで並べました。どちらが優れているかではなく、どんな人にどちらが合うかを、確かめられる事実の範囲で考えます。
Wispr Flow

ほかの候補と違い、価格が円で表示されます(日本から開いた場合)。Pro の欄は年払いで月 ¥960、月払いに切り替えると月 ¥1,200です。
- 料金: Pro は月 ¥1,200(年払いなら月 ¥960)
- 無料: デスクトップは週 2,000 語まで。どのアプリでも使える
- 日本語: 対応言語の一覧に日本語がある
- データ: サーバーに保存するかを設定で選べる。学習に使うのは、自分で選んだ場合だけ
- Typeless との違い: 円で価格を確かめて払える。名前や専門用語を覚える機能をうたっている
Willow

右の Pro の欄は、$15 に線が引かれて $12。年払いにすると 2 割引きになる、という見せ方です。左の Free の欄の一行目は「Unlimited weaker speech-to-text model」で、弱い方のモデルなら無料でも回数の上限がありません。
- 料金: Pro は月 $15(年払いなら月 $12)
- データ: 初期設定は Private Mode で、文章を集めない
- 日本語: 「100 以上の言語」とあるが、日本語と名前を挙げた記述は、公式の製品ページでは確認できず
- Typeless との違い: 無料でも、軽い方のモデルなら語数の上限がない
音声を外に出したくないなら、Superwhisper・Spokenly・VoiceInk
ローカルで処理する道具は、音声が Mac の外に出ません。そのかわり、聞き取りと整え方の重い処理を、手元の Mac で動かすことになります。この限界は、「ローカルで動く音声入力は安全か」で説明しています。
あわせて読みたいローカルで動くAI音声入力は安全?ローカルとクラウド、それぞれの限界。音声を外に出さない「ローカルでの処理」は、安心できる選び方です。ただ、Mac の性能には限りがあり、聞き取りと整える質に差が出ます。クラウドで処理する道具を安心して使うには、どこを確かめればよいのか。両方の限界を並べて考えます。
Superwhisper

払い方が三通りあり、一度だけ払う Lifetime($249.99)を選べるのが特徴です。
| 払い方 | 価格 |
|---|---|
| 月払い | $8.49 |
| 年払い | $84.99(月あたり約 $7.08) |
| Lifetime | $249.99(一度だけ) |
- 無料: ローカルで動く Whisper のモデルなら、無料で無制限
- 処理: ローカルとクラウドの両方。ローカルで動くモデルなら、音声も文字も Mac の外に出ない(公式のプライバシーの説明。整える処理にクラウドの AI を選ぶと、文字はその AI の会社に送られる)
- 注意: Intel の Mac ではクラウドのモデルを勧めている。日本語と名前を挙げた記述は確認できず
- Typeless との違い: 話し方の「モード」(メール・メッセージなど)を自分で作り、整え方を分けられる
Spokenly

三つの欄は、左から右へ「ローカルだけ」→「買い切りで機能を足す」→「クラウドも使う」の順に並んでいます。
- Free($0): ローカルで動くモデルで無制限。アカウントも要らない
- Local+($29・買い切り): 見た目の設定や端末の間の同期を足す。クラウドを使うなら自分の API キーが要る
- Pro(年払いで月 $8.33・月払いで月 $9.99): クラウドのモデルと、AI での文章の手直しが付く
Typeless との違いは、お金を払わずにローカルで使い続けられることです。ただし、整える機能(AI の文章の手直し)を使うには Pro か自分の API キーが要ります。日本語と名前を挙げた記述は確認できませんでした。
VoiceInk

三つの欄の違いは、使える Mac の台数だけです。どれも「no monthly bill」で、月額はかかりません。
| 台数 | 価格(買い切り) |
|---|---|
| 1 台 | $25 |
| 2 台 | $39 |
| 3 台 | $49 |
- 処理: 初期設定はローカル。整える機能でクラウドを使う場合も、送るのは文字だけで、音声は送らない
- 条件: Apple シリコンの Mac・macOS 14.4 以降・メモリ 8GB 以上を推奨
- Typeless との違い: 月額がない。中身が公開されている(オープンソース)
Mac の標準の音声入力
追加の費用なしで、日本語をローカルで処理できます。句読点も自動で入ります。言いよどみを除く機能は、公式には書かれていません。使い方は「Mac の音声入力の始め方」にまとめました。
あわせて読みたいMac の音声入力の始め方とは?標準の機能で、どこまで使えるか。Mac には、追加の費用なしで使える音声入力が入っています。オンにする手順、句読点の入れ方、言語の切り替えを、Apple の公式の説明に沿ってまとめました。標準の機能では足りない所も書いておきます。
迷ったら、無料の範囲で自分の文章を話して比べる
- 料金を月 $10 前後に抑えたいAqua Voice・Superwhisper・Spokenly
- 円で価格を確かめて払いたいSayonaraType(自社・税込)・Wispr Flow
- 言い換えすぎるのを抑えたいSayonaraType(自社)・Aqua Voice(Custom Instructions)
- 音声を Mac の外に出したくないVoiceInk・Superwhisper・Spokenly(ローカルで動くモデル)
- まずは費用をかけずに試したいMac の標準の音声入力
どれも無料で試せる範囲があります。乗り換えの前に、自分がよく書く文章(メール・チャット・メモ)を同じように話して、仕上がりを比べるのが確実です。
ここに挙げなかった道具も含めて、12 本を同じ項目で並べた表は「Mac の音声入力アプリの比較」にあります。
あわせて読みたいMac の音声入力アプリ 12 本の、最新比較まとめ。(2026年10月)話した言葉を、そのまま送れる文章にしたい。その目的で Mac の音声入力アプリを選ぶときに見るべき点を四つに絞り、各社の公式ページに書かれていることだけで並べました。聞き取りや整え方の質は、この記事では比べていません。
SayonaraType
話すだけで、そのまま送れる文章に。
Mac の音声入力アプリ。週 約4,000文字まで無料です。
調べ方
各社の料金ページ・ヘルプ・プライバシーポリシーを 2026-10-25 に確かめ、料金の画面を撮りました。価格は日本から見たときの表示です。聞き取りや整え方の質は測っていません。
出典
- Aqua Voice 料金(aquavoice.com/pricing)2026-10-25 確認
- Wispr Flow 料金(wisprflow.ai/pricing)・データの扱い(wisprflow.ai/data-controls)2026-10-25 確認
- Willow 料金(willowvoice.com/pricing)・データの扱い(help.willowvoice.com)2026-10-25 確認
- Superwhisper 料金(superwhisper.com/docs/billing/plans)・プライバシー(superwhisper.com/privacy)2026-10-25 確認
- Spokenly 料金(spokenly.app/pricing)・プライバシー(spokenly.app/privacy)2026-10-25 確認
- VoiceInk(tryvoiceink.com)2026-10-25 確認
- Apple「Mac で音声入力を使う」(support.apple.com)2026-10-23 確認
